商品や企業ブランディングと強豪団体スポーツとの共通点
ラグビーが見せたワンチームはブランディングと共通点があるということ
2019年はJAPANラグビーが快進撃を見せ大変盛り上がりました。
実は私もラグビーを少しだけかじったことがあります。
とはいっても、さすがに本格的なラグビーではなく女性でも始めやすいタックル無しのマイナーラグビーです。
かじったとは言え、ラグビーが昔から言われている「皆が主人公」「どんな体型でもそれぞれの持ち味を生かせるポジションがある」というところが好きです。
今日はそんな団体スポーツから得たことを書き留めておこうと思います。
実は私は社会人になってから、とある夏のアマチュアスポーツをやっていた時期があります。
結構狭い世界なのでスポーツ名は避けておきますが、結構ハードなチームスポーツです。
なぜそれを選んだのか。
それはほとんどの人が初心者から始めるということ。
そして色々と道具を揃えることがないというひどい選び方。。。
しかし、このスポーツチームで私はたくさんの衝撃を受けたのです。
私はコンサルティングではないので、断言というよりは経験した中で感じたことを書いていきたいと思います。
強いチーム(組織)がやっていること
私が入った女子チームはかなり強いチームで、アマチュアとはいえ全国優勝を何回も果たしているチームでした。
(注:チーム数はそんなに多くありません)
そのチームでの経験は私にとって強烈に印象に残り、後々の仕事への取り組み方や人生についての考えを改めるようにもなったほどでした。
なぜそんなにも衝撃的だったのか。
このチームにはコーチもいたのですが、今思えば多分コーチングを学んでいたのではないかと思います。
「目標設定」から「やるべきこと」への落とし込みや、「なぜ自分は全国優勝がしたいのか」ということをチームの皆で共有する「目的共有ミーティング」なるものがありました。
これは、全国優勝を勝ち取る為には辛い練習がありますが、辛い!・辞めたい!と思った時にチームの皆が「この子がこのチームにいる目的はこれだ」と知っていると、単なる根性論ではなく、的を得た叱咤激励が出来るためです。
さらに、このチームでは「スピリットの継承」があり、なぜこのチームはできたのか、どのような思いでやっていくのか等、先輩から後輩へと引き継がれていくのです。
傍から見ると、これらが宗教臭く感じる人もいたようですが、実はこれ、ブランディングと同じなのではないか?と仕事をしながら思いました。
それもその時、ちょうど私が立ち上げた初の商品ブランディングを社内でやっていた時と重なったからでした。
ブランディングで大切だと思ったこと
私はこのチームでの考えが仕事での後の商品ブランディングにとても役立ったのです。
と同時に、今までの自分はなんて何も考えずにのんびりと人生を過ごしていたんだろうか。
なんて思ってしまいました。
人生で選択しなければならないその時その時では考えて選択しているのですが、これを知っていればもしかしたらもっと勉強の仕方が違っていたかもしれない、もっと考えてスポーツ(部活)もやっていたかもしれない。
もっと自分が発展していたかもしれないなんて思います。
さて、本題のブランディングについてですが、企業ブランディングにしろ商品ブランディングにしろ私は小さい会社ほどブランディングはやりやすいと思います。
それだけ人数が少なく共有しやすいからです。
私が経験したブランディングの仕方について大切だと思うことをまとめてみました。
- イメージ共有
- 社内ベクトル合わせ
- 販促物のプランニング
1.イメージ共有
イメージ共有は企画段階やコンセプトを考えるときから大切です。
例えば、「かっこいい商品」「可愛い商品」と一言で言っても様々な種類の「かっこいい」「可愛い」があるわけです。
特に男性がわからないとよく言われる女性が言う「かわいい」。
これは本当に様々な「かわいい」が存在します。
いくら言葉で「この商品はこんな人の為のこんな場所に使用するこんなかわいい商品」と言っても、それがどんなものなのかがイメージできないと皆がちぐはぐな解釈をしてしまうのです。
そうならない為にも、参考画像やイメージの切り抜き、キーワード等を使ってどのような「かわいい」を言っているのかを共有します。
これはチームスポーツである「チームカラー」に当たるかと思います。
2.社内のベクトル合わせ
特に重要なのが社内のベクトル合わせです。
これがないと何も変化が起きません。
これはチームスポーツでいう目的の「全国優勝」です。
同じ方向を見て進めていかないと構築できません。
- 企画者の想い
- 商品デザインのこだわり
- その商品をどんな風に使用してほしいのか
- その商品によってどのようなことに貢献できるのか
これらのことを社内で共有しあって、皆が同じ説明が出来、情熱を持てるようにすることが重要です。
しかも、1に出てきた企画段階でのイメージの共有が必要なのです。
「はい、この商品ができたから売ってきて~」では各営業が熱い想いで同じ説明ができません。その分ブランドはどんどんブレていきます。
皆を企画段階から巻き込んでいかないと、熱意をもって発表することができないのです。
さらに、企画段階から皆を巻き込むと、実は自然と皆がアンテナを張るようになります。
すると、「この商品はこんな営業先が合いそうだな」や、「あ、この商品はこんな風にもできそうだな」と、意識している情報に目がいくようになります。
これを「カラーバス効果」と言います。
3.販促物のイメージ
最後の販促物のプランニングですが、これは、カタログ、営業販促ツール、展示会、HP、全てのテイストとイメージを合わせていきます。これをバラバラにしてしまうと結局はブランドとして構築していきません。
イメージに合わないものは排除。それくらいの気持ちが必要です。
ブランディングは継続していかなくては意味がありません。
新しい人が入社したならば、一からブランドについて教える必要があります。
これこそ「スピリットの継承」になるのです。
ワンチームの本質的なところ
私は、ブランディングに貢献できた会社は円満退職してしまいましたが、その後どうなったか少し心配でした。
しかし、きちんとイメージを保ちつつ新しい新商品も出してくれていました。
しかも、それらの商品がメインになり、会社の新しいイメージが出来上がっていました。
とても嬉しかったです。
結局のところ、「ワンチーム」とは「全てのことを共有して進んでいく」ということであってそれはスポーツにしても組織にしてもブランドにしても同じだと思います。
「商品企画デザイン」としての仕事をさせてくれた会社に、そして様々な気付きをくれたスポーツに今も感謝しています。
現在はその会社に個人になってもお仕事の機会をいただけて、とても嬉しく思っています。